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いつかの春に君と
第2章 花の名残に君を想う
…やがて、郁未と鬼塚を近づけるひとつの事件が起こった。

ある夜のこと、就寝当番だった郁未はリネン室に新しいシーツを取りに行った。
リネン室は寄宿舎の北側の一番外れにある。

ドアを開け中に入った瞬間、何者かに背後から口を塞がれ羽交い締めにされた。
もがく郁未の耳元に下卑た笑い声が響いた。
「…へえ…。やっぱり可愛いな。…嵯峨郁未…今年の新入生で一番のシャンだ」
そのままリネン室の奥に連れ込まれる。
裸電球の薄明かりの下に数名の最上級生の姿が見えた。
シーツの山の上に乱暴に押し倒される。

両手両足を数名の上級生に押さえつけられ、郁未は真っ青になりながら叫んだ。
「な、何するんですか!離して下さい!」
「…何をするかだって?無粋なことを聞くなよ。今からお前を可愛がってやるんだからさ」
リーダー格と思われる屈強な上級生が郁未に馬乗りになる。
郁未の身体を嫌らしく弄りながらほくそ笑む。
「知らないのか?士官学校の伝統を。
…可愛い新入生は上級生が手篭めにしていいんだ」
「て、手篭め⁈」
「お前、まだ男も女も知らないだろう?…俺たちが順番に女にしてやるよ。うんとよがらせてやるからな」
野卑な笑いを漏らしながら、リーダー格の青年が郁未のシャツを剥ぎ取る。
郁未が悲鳴を上げる。
「嫌だ!離して!離してってば!」

士官学校の生徒たちは普段俗世間から隔離され、禁欲を強いられた生活を送っている。
勿論女っ気などない。
若い性欲の捌け口は、自然と下級生の大人しい少年に向かっていった。

郁未は少女とも見紛うばかりの可愛らしい容姿と華奢な身体つきをしていたので、以前から飢えた野獣達に眼を付けられていたのだ。

「離して!だれか…助けて…!」
悲痛な叫び声を上げる郁未を上級生たちは煩げに押さえつけ、己れの制服のズボンの前を寛げようとした。
「大人しくしろ!誰も助けなんか来ねえよ」

…もうだめだ…。僕は…こんな奴らに無理やり犯されるんだ…と、絶望の涙を流し始めた時…。

リネン室の扉が開き、聞き覚えのある低い声が耳に届いた。
「その手を離せ」
思わず瞼を開く。
馬乗りになった上級生の肩越しに、無表情に彼らを見下ろす隻眼の少年の姿が見えたのだ。

「…お、鬼塚くん…」
しゃくり上げる郁未に鬼塚は微かに頷いた。
「嵯峨から手を離せ。今すぐ離すならお前らを見逃してやってもいい」

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