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いつかの春に君と
第2章 花の名残に君を想う
…男は低く呻くと、たっぷりと鬼塚の中に精を放った。
馴染ませるように、暫く抽送を繰り返す。
…まるで鬼塚を孕ませたいかのような、執拗な動きであった。
そして、ゆっくりとその雄蕊を抜き取った。
「…んんっ…あ…ああ…」
貌を伏せながらも、思わず声が漏れる。
溢れ出した白い牡液が、しとどに鬼塚の引き締まった太腿を濡らした。


…玄関先で交わり、そのまま引き摺られるように寝室に連れ込まれた。
漸く制服を脱がせて貰えた。
「…制服のお前を犯すのは、興奮する…」
色気を含ませた低い声で囁かれた。
その淫らさに背筋が震えた。

男は軍服を脱がなかった。
正常位で抱かれた鬼塚の素肌に軍服の勲章が冷たく押し付けられた。
…それと共に男の外国煙草と火薬…そして僅かだが血の匂いが鬼塚を包み、暗く膿んだ悦楽を齎した。

男が鬼塚を解放したのは、三度目の性交ののちであった。

ぐったりと褥に伏した鬼塚の背中に男は優しくくちづけをした。
男が放った淫液が体内から流れ出る。
…俺が女なら…孕んでいたかもな…。
ぼんやりとそんなことを考える。

男が鬼塚の身体の稜線をなぞりながら、静かに口を開いた。
「…また背が伸びたな。筋肉も付いて…逞しくなった…」
その言葉は微かに嬉しさを秘めているようだった。

「…興醒めしませんか…?…段々大人の男の身体になってゆくのに…」
ずっと気掛かりだったことを口にする。
…もはや少年の線の細い身体から、均整の取れた伸びやかな青年の身体になりつつある。
どこを触れても柔らかくはないし、胸や尻に丸みがある訳ではない。
抱き心地は決して良くないだろう。
…いつまで男が自分を抱きたがるのか…。
不安と言うか、ずっと気になっていたのだ。

男は可笑しそうに低く笑い、鬼塚の頬を撫でた。
「お前でも、そんなことを気にするのか?」
むっとしたように貌を背ける。
「気にしませんよ。…別に…」
思いがけない優しい仕草で、男の頑丈で広い胸に抱き込まれる。
「…私はお前が、成長してくれることが嬉しい。
もっともっと大きく逞しくなれ」
…私を追い越して、大きくなれ…。
慈しみが静かに宿った眼差しで見つめられる。

嬉しいのに、つい意趣返しのように答えた。
「もし、俺が貴方の背を追い越したら…貴方を抱きますよ」

男は陽気に声を立てて笑った。
「それだけは死んでも御免だな」



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