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two roses & a lily
第7章 カウンセリング
敬遠したい実家に帰り保証人になってもらえるよう頼みこむのに一苦労。
家を継ぐことを条件に何とかサインをもらう。僕が家を離れたいと思っていたことはお見通しだった。
何故そこまでジョンに関わるのかと学友達より酷く、僕とジョンとの関係まで疑われる。メアリーと結婚の約束をして同棲を許されたのだから当たり前なのかもしれないが。
「ボブ、俺、カウンセリングに行くの恐いな。」
ジョンも何か察知するのか、カウンセリングに行きたがらず精神的に不安定になる。
「ジョン、医者になりたいんじゃないのか?」
「ボブ、何で俺に関わるんだよ。」
「友達だからだ。」
「見返りに何をすればいい?」
「僕に何かあった時、逆に僕のことを考えてくれ。それが友情の返し方だ。」
これからどんな治療が始まって、ジョンが苦しむことになるかわからない。
ただ、本当の診断結果を踏まえて、ことあるごとにジョンに子供のように教えていくように心掛けていた。
「もう来ないだろうと思っていたよ。」
「僕はそんないい加減な人間じゃありません。」
「結果をどうやって伝えるか悩んでいてね。本人が望むなら君も同席した方がいいと考えていたよ。」
「ジョンに聞いてみます。」
「それがいいな。退行治療はね、簡単に言えば遡りとやり直し、その中で、環境に足りなかったもの、つまりジョンの場合、両親の存在とか親の愛情とかを代わりに誰かが与える必要がある。代役と呼んでいるんだがね。
ボブにはその代役になってもらう。
君は今からジョンの父親になるんだ。」
「はい、わかりました。」
待ち合い室にいるジョンに結果をどう聞くか確認する。
予想通り僕と一緒に聞くことを希望した。