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two roses & a lily
第7章 カウンセリング
「やあ、ジョン、気分はどうかな?」
「結果を聞くのが怖いです。」
「それは誰でもそうだろうね。
ところで、ボブはね、君の治療を希望して保証人になってくれるといっているんだが、本人に意志がないと難しいのでね。
君は治したいと望んでいるかな?」
「俺は治療を受けなければならない結果だったってことですか。病気じゃないと信じていたんですが。」
「病気じゃないが、もっと深刻で治す必要がある。だが本人が治したいと望まないなら、治せないよ。」
「治さないと医者にはなれないのか?」
「残念だが医者を諦めた方がいいだろうね。残酷なことを言うが人命救急講習ガードすら持てないようじゃ無理だと君も判っているよね。」
「治して医者になりたいです。」
「治療は辛い過去を抉るしんどいものになるし、協力者が必要だ。
ボブは協力者になると申し出ているが、君はそれを受け入れられるかな?」
「はい。」
そして、カウンセラーが治療の同意書をジョンに差し出した。
僕に渡された誓約書と違い子供向けなのか簡単なものだった。
治療の通院指示を守ること。
カウンセラーを信じること。
協力者である僕に頼ること。
ジョンはそれにサインした。
「それで診断結果はボブと一緒に聞くということでいいかな?」
「はい、俺にはボブしかいないから。」
「じゃあ話そうか。
君は、ネグレクトを起因とした人格形成障害だよ。」
「人格··形成····障害。つまり人間らしく出来てない欠陥品。」
「言葉は悪いがそれが正しい理解だよ。」
「治療も何も欠陥なら治しようがないじゃないか。」
「そうだね。それを認めるなら医者になれないのはわかるだろう。」
「俺は医者どころか人になれてない欠陥品。」
「だがね、ここにいるボブは治療に付き合うと言っている。正直、私は治すと約束はできないとまで話したんだがね。
君の目標が医者になることだから、治療を一緒に受けるというんだよ。」
「ボブ、、、」
「ジョン、不可能なんてないさ。君は、今まで1人で頑張ってなんでもやってきたんだ。これからは僕も一緒に頑張るから、治療を受けよう。」
「わ··かった···」
「じゃあ改めて受診の同意と受け止めていいかな?」
「はい、お願いいたします。」