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two roses & a lily
第7章 カウンセリング


「普段私は小学生しか対象にしないから、治療方針は患者には話さない。だが、君たちはある程度の大人でしかも医者を志すものだ。
だから二人に治療方針を話していくよ。

まずは私をドクターでなくカールと呼ぶように。」



こうして始まったカールの説明。

治療は退行と、欠陥の補充、場合によっては、記憶の塗り替えというサイクルで、欠陥の起因と呼ぶ原因まで退行を繰り返す。

まずは毎日の通院が必要とされた。

退行には睡眠薬を用い、半分眠ったような、夢を見ている状態で記憶を呼び覚ましていくものだという。

ジョンは、もう一度人生をやり直すんだな、と淡々と受け止めていたが、かなりの時間を費やすことが想像できた。


カールは説明後、それぞれとカウンセリングして実際の治療は明日からとなった。


「ボブ、長く辛いものになるとイメージできたかね?」

「はい。」

「君は、今降りることも許されるよ。ボランティア協力者に委ねればいい。」

「いえ、僕が代役になります。」

「ちなみに、ジョンは素直に受け入れたよ。多重人格って知ってるかな?」

「聞いたことはあります。」

「ジョンは知ってたよ。幼少期の虐待によって引き起こされることが多いこともね。自分は強靭な精神力で分裂しなかっただけじゃないかと言っていたよ。
理解があるというのは治療に向いているとも言えるが、退行経験により分裂する可能性もある。君はそんなことが起こらないように見守る必要もあるんだよ。」

「はい、ジョンと一緒に取り組みます。」



こうして、ジョンの治療は始まった。





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