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two roses & a lily
第4章 目覚め
「ありがとう…お兄ちゃん…」
「それだけか?」
「手紙を読んでね。って…」
「そうだ。それがこの手紙だ。」
牧師さまが封をしたままの手紙を渡してくれた。
開封すると去年と同じような構図の絵が描かれていた。
だが、丁寧に描かれ色も沢山使われていた。
そして絵だけでなく文字が書かれていた。
【お兄ちゃん、(いつも一緒にいてくれて)ありがとう。愛してる。ジョン。】
カッコのところはシスターに手伝ってもらったのか、よく読めないところに大人の字が添えて書かれていた。
【愛してる。】
俺はジョアンナを愛していただろうか。
ジョアンナはいつでも俺しか見ていなかったのだ。
なのに俺はジョアンナのことを一番に思っていなかった。
だからジョアンナは…
「うわぁああっ…ジョアンナ、ジョアンナ…」
「ジョン泣き叫んでもいい。だがジョアンナは天に召されたことを受け止めなさい。もう錯乱してはいけない。ジョンはジョアンナの分まで生きなければならない。」
初めて牧師さまの言葉が入ってきた。
ジョアンナの分まで生きる。新しい目標ができたのだ。