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two roses & a lily
第5章 ハイスクール

「ねぇ、ジョン、このあと少し付き合ってよ。」
「でも、俺、酒飲めないし、バイト代を稼がないとなんで。」
「付き合ってくれたら、それ以上出すわ。お酒も飲まなくていいの。ねぇ、マスター連れていってもいいでしょ?」
「ジョンがいいならいいよ。」
「え?」
「ほら、マスターもいいって言うし、行くわよ。」
働き始めて3ヶ月もしないうちだった。
他のバイトの女性たちが、他所で飲み直すのに付き合わされ、早上がりをするのは知っていた。
むしろ、マスターに断って自分からお客さんに着いていってしまう人もいた。
だから人手不足になるんだと思っていたが、
女性客に誘われて店を出た。
客の後に着いていく。バイト代より多く出すと言われたが、酒の飲めない俺といて楽しいのだろうか。
疑問ばかりだが、ただただ後を着いていった。
「ここよ。」
女性が立ち止まったのは、ビルのような建物だった。
後でホテルだと知らされたが、何をするところかも知らずに一緒に中に入っていった。
店でないとはわかったが、客は何も知らない俺を喜び、ドアを開けて入る。

