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two roses & a lily
第6章 出会い
ジョンの顔色は優れず、どこか不安気に見えた。
「大丈夫かジョン。」
「ああ、なんともない。」
「まずは一人が圧迫式のマッサージを、それでもなお呼吸が戻らないという想定で、合図をしますのでもう一人がマウストゥマウスを…
皆さん、横たわっているのが人形だからと軽んじてはいけません。
先ほどの映像を思い出し、家族がその状況にあるイメージで取り組んでください。」
僕は咄嗟にメアリーを思い浮かべた。
ジョンが一番手のマッサージ役の番だった。
ジョンを見ると凄く緊張していて、また呟いている。
『ジョアンナ』、映像の少女からすると妹だろうか…
彼女が瀕死の状態で横たわっているイメージが出来ているようだった。
合図があり、ジョンが人形に近づく。肋骨の位置を確認して的確な位置に手を置いた。
カウントしながらマッサージを始める。
人形は、適切なマッサージにより回復に向かうと終了音が出る仕組みであると説明されていた。
「………アンナ………ジョアンナ…」
不味い、あれでは圧が強すぎるのではないか…
「ジョン、患者は子供だ、強すぎる。」