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two roses & a lily
第6章 出会い
カウントを取ってマッサージをし、圧の強度を示すランプを確認しながら鳩尾を押し込む。
手を緩め、胸骨が上がって戻るのを確認してまた押し込んでいく。
数十回繰り返すうちに、心拍数を伝える音が人形から鳴り始め、じきに安定してオッケーのサインが鳴る。
黙ってジョンを見ていたが、日中の騒ぎが嘘のように的確なマッサージだった。
「ジョアンナは…」
「ジョン、話は後にしよう。まだマウストゥマウスが残っているし、その次は二人での連携だ。」
「あ、ああ、わかった。」
だが、心配する必要もなくマウストゥマウスも終わる。
「じゃあペアでやろう。ジョンがマウストゥマウスのタイミングを声かけしてくれ。」
「わかった。」
声かけを頼んだせいか冷静に判断して処置をし、それでも反応しない人形にも焦らず声をかけてきた。
マウストゥマウスになるが相変わらず冷静なままで人形は復活した。
役割をチェンジしても冷静さは失わず、急に呼んでも落ち着いてマウストゥマウスに入る。
「ふぅ。無事に出来たね。」
「あ、ああ。珈琲でも淹れるよ。座ってて…」