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two roses & a lily
第6章 出会い
「わかった。やってみるよ。」
「ジョン、昨日も言ったけど、病院にかかろう。君が抱えているものは大き過ぎる。まずは自分が健康でなきゃ、人の命は預かれないよ。」
「俺は病気じゃない。やればいいんだろ?」
「ああ、じゃあまずは一人でだ。
ジョアンナが突然発作を起こし、心肺停止、呼吸も止まってしまった。
周りには誰も何もない。
さあ、マッサージを始めて…」
ジョンが顔を歪めたまま人形に近づく。
深呼吸をして鳩尾の位置を確認しマッサージに入る。カウントを取りながら適切な処置が始まる。
だが、僕は講師に頼んで設定を変えてもらってあった。
「何でだ?強さも間隔もあってるのに、何でオッケーにならない。」
やはりジョンは焦り出す。
「人形じゃないからだよ。人は、良くなりましたオッケーなんて言わないよ。ましてや、ジョアンナは心肺停止してるんだ。喋れるわけないじゃないか。」
僕は心を鬼にして言う。
「ジョアンナ…ジョアンナ、お兄ちゃんだよ。いつも一緒にいる。大丈夫だから…俺が絶対治すから…」
やはりジョンは人形相手に感情移入して、マッサージの圧が高くなる。