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two roses & a lily
第6章 出会い
「ジョン、冷静になるんだ。自分の感覚で捉えろ。鳩尾は上がってきているか?
肋骨が折れていないか?」
ジョンが涙を溢してマッサージを辞めた。
「病院に行こう。」
「俺は病気じゃない。」
「なら、気分転換にうちに来ないか?
彼女が君の分も夕飯を作って待っているんだ。」
「彼女?一緒に暮らしているのか?」
「そうだよ、行こう。」
もう反発する気力もないのか、ジョンは黙って僕に着いてきた。
「ただいま。」
「お帰りなさいボブ。
初めまして、ジョン。」
「こんにちは、初めまして。」
ジョンの纏う空気が冷たく固くなったのを感じる。
初対面のメアリーにどう接したらよいかわからず緊張しているのだろう。
「ちょうど良かった。もう、盛り付けて並べるだけだから、座ってて…」
キッチンに向かい背を向けているメアリーに安心したのか、ジョンは勧めるままに僕の向かいに座る。
するとメアリーがキッチンから料理を運んできた。
「凄いご馳走だ。」
「あら、ありがとう、ジョン。お客様が来るから、少し頑張ってみたのよ。」