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地獄
第28章 お立ち台
 レールといっても角材を横長い台形に加工したのがこれだ。家に使う柱のように綺麗に削られたそれを、女の横幅に合わせて隙間と間隔を調整しただけの代物だ。高さは洗面器一つが悠々入り若干の隙間ができる。


 そこに鏡とビデオカメラがあり、奈緒子の用足しの一部始終を映す用意が万全である。ビデオカメラは使わない場所にある物の使い回した。
 奈緒子がもよおさなくても、強引に連れてきて無理矢理やらせるつもりであったが、女の用足しは絶好の虐めを女が提供した形になった。
 

「何でこんなことを?」


 奈緒子が信じられない目を、坂本に向ける。すると坂本は首輪の鎖を持っている手から、スタンガンを見せる。お仕置きのために何時でも持っているそれを放電させた。


「い! も、申し訳ありません!」


 甲高い声が、クリアに響く。
 パブロフの犬、正に今の奈緒子であった。
 

「俺は奈緒子のご主人様だ。ご主人様は奴隷の全てを知らないといけない。それが小便であったとしても! 排出行為を調べたいんだ……もちろん、エロ女を辱めるためでもある」


 坂本がしっかり、奈緒子に聞かす。
 

「ウダウダ、喋るのはここまでだ! さて、心起きなく、小便しろ! 何なら糞も許す!」


 坂本はそう言うと、洗面器の調整をした。見やすく、映しやすく、小便しやすくしてやり、レール近くにあるある物を確かめる。それは二つあり大きな涙型をしている。


 あれは後だな。


 心に言い聞かす。
 坂本がスタンガンを放電させる。
 

「早くウンコ座りしろ! 雌豚! これが欲しいか? ダメなお母さんだな、子供に見て貰おうか?」


 坂本が奈緒子を壊しにいく。
 スタンガンの恐怖、母親の威厳、この二つを巧みに操る。女を縛るにはこれ以上ない武器を持った男は凶暴性を増していく。


「い、い、い、いいい……」


 奈緒子は恐怖のあまり、ウンコ座りをする。
 そこに母親の威厳はない。
 まるでイジメられ、追い込まれていく子供のようだった。


「やればできるだろ! それでこそ、子供二人を賢く育てる母親の姿……偉いぞ。いいな、俺の言うことを必ずやれ!」


 坂本が冷たく言い放つ。


「はい、わかりました」


 奈緒子が鼻水を垂らしながら、泣きべそを掻く。
 まるで子供のように。


 


 
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