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地獄
第28章 お立ち台
「あっ……あぁっ」


 奈緒子が顔を抑えて、泣き始めた。
 恥辱が頂点に達し、号泣に変わる。
 坂本が勢いよく放出される、小便に子供のような表情をしている。
 

 小便の到着点には洗面器にたっぷり入った、砂の塊がある。ペット用の砂で脱臭力もある。
 それが山型に盛らているのだが、一カ所だけ穴のように空いた場所がある。
 そこには光沢のある何かがあり、そこだけが異様に盛り上がっている。山型とは先ほど言ったが歪な感は否めない。


 鏡の近くにビデオカメラが一台あり、放出を鏡から淡々と映す。そして指輪の隠しカメラが、尿道を捉えている。砂山に落ちる小便が光沢ある場所にしっかり当たり、少々黄色い飛沫を上げている。そこに何かあるのは、間違いない。


 しかし奈緒子が気づくことはない。
 そんな余裕もない。
 子供のように、泣くしかなかった。


 坂本は子供のような笑顔を見せる。
 その姿に虐めの言葉はない。女の神秘を魅せられ声が出なかった。


 小便の勢いは次第に弱くなり、奈緒子の滝は無くなった。坂本はふと我に返る。あっ、そんな表情で、唇を噛んだ。虐められなかった後悔がここにきて溢れてきた。


 奈緒子は相変わらずの、号泣をしていた。甲高い鳴き声は耳障りがよく、何時までも泣いていても心地よい。特に坂本の耳にはそれが誰よりも、心地よかった。


「奈緒子、少し泣くのを止めろ! 小便した砂山を見ろ。おもしろい物を見せてやる」


 坂本が言った。
 ここで奈緒子を壊しにいく!
 奈緒子が命令を聞くと、涙目で砂山を見る。するとそこに黒光りする……レンズがあった。
 それを男が掘ると、ビデオカメラが出てきた。


「これは防水性能があるビデオカメラでな、これからは小便の時はこれで映してやる」


 坂本がそう言うと、再び砂を掘り、ビデオカメラを埋めた。その時に湿った砂を鼻に持ってきて、匂いを嗅いだ。アンモニアがほんの少し匂う、奈緒子の小便であった。


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