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地獄
第37章 疑問
「うん、うん!」


 汚臭愛が舌を使い、綺麗に舐め回す。
 坂本がそれに満足すると指を回して、歯茎や頰を刺激してやる。


「あん!」


 汚臭愛は唇を親指で悪戯されながら、徴の扱きに少し力を加える。
 外見は楽しんでいる。
 しかし心は不思議で仕方ない。
 あの答えでは、満足できなかった。むしろ疑問が疑問を呼ぶ。
 

「いい舌使いだ。そして手も!」


 坂本が汚臭愛のご奉仕に、ご満悦だ。
 

「汚臭愛、飲めるか?」

 
 坂本が視線を下に落とす。
 徴を見ている。
 

「はい! お願いします」


 汚臭愛が快く承諾する。
 疑問はあれど、今は楽しみを優先させた。
 女の手コキは素晴らしく、男の急所を確実に捉える。
 坂本は顔が何回か引き攣る。


「無理しないで、出して下さい」


 汚臭愛と坂本の目が合う。
 形成が替わった二人の表情があった。
 ……睾丸に疼きが走る。坂本が女の唇に、徴を宛がう。
 そして派手に。放出した。
 

「うぐ! ぐぅ!」


 汚臭愛が口内で全て受け止め、全て胃袋へ流し込んでいく。先っぽの割れ目をチューチューと吸い上げ、一滴も残さず飲む。
 固く厚い海綿体からできたストローは、吸い上げる穴が縦に裂けて大きい割には少しずつしか出なかった。
 汚臭愛がそれを全て飲み干す。


「ご馳走様でした」


 ニタリと笑い、頭を下げる。
 坂本は少し渋い顔をする。
 

 初めて、負けたな……。


 そんな表情だった。
 
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