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地獄
第40章 日菜子
 夕方になる少し前、陽はまだ高い。季節的に陽は延びていき、夏にはまだまだ早い。


 二人が風呂入り早い時間の食事を済ませたのは、数十分前のこと。今は洗い物を日菜子をしながら、漠がちょっかいを出している。
 日菜子は素っ裸で、漠は服を着ている。この後に来客があるために身に着けているらしく、女は少しムスッとしている。


「まったく……相変わらずね」


 裸で洗い物中の日菜子の脚を開かせ、漠がペンライトとスマホで股を撮影していた。ペンライトは先ほどの隠しカメラで、スマホは日菜子専用だった。
 そう、日菜子専用だ。
 つまり先ほどの、奈緒子とは違うスマホである。


「お金持ち!」


 日菜子が密穴を大きく指で開きながら、ペンライトにスマホに見せつけた。
 漠は鼻歌混じりに、楽しんでいる。
 

 二人の近くにピンク色のエプロンがあり、日菜子が料理中はそれを身に着けていた。そのときの漠は、無愛想でいた。
 理由は裸でないからだ。
 裸にエプロン、そんなシチュエーションはこの男には存在しない。
 裸が一番! そんな男なのだ。


 ピリピリ! ピリピリ!


 漠のスマホがなる。
 そこには事務所と書いてあり、電話に出る。
 

「もしもし……可愛い客人達が来たか、わかった」


 そう言うとスマホを切り、部屋に消えていく。
 日菜子は股を閉じ、洗い物を続けていた。
 漠が戻ってくると、女のスマホを置き電話をかけて鳴らす。
 

「これからのことを、全てスマホから聞いていろ」


 漠はそう言うと、デジタルカメラを取り出した。それは奈緒子の夫から貰い受けた壊れたそれだった。


「修理したから可愛い客人に返してやろうと思ってな。もちろん記録は全て抜いたが」


 漠がそう言うと、ニタリと笑いながら日菜子を後にする。
 

「はいはい、漠様は器用ですからね。デジタルカメラを直したり、シャワーを壊したり」


 日菜子が大笑いしながら、スマホを見る。
 そこから流れる会話を、全て把握するために興味津々であった。
 





 
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