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地獄
第6章 序章
椅子の座高はやや高い。それでいて安定感は抜群だった。
坂本が部屋に持ってきたコイツは頑丈だ。
部屋は広く造られている。元々は屋内駐車場でクルマ数台停められる場所であったが、誰かがアレンジして管理人室を造った。駐車場入口は完全封鎖され、壁を付け足された。そしてコンクリートを剥がしオフィスビルのフロアーのように造り替え、そこに坂本はベッドやその他諸々を持ち込み住んでいた。
駐車場をなくしたのは利用者が少ないこと、耐震性向上のためでもあった。元々耐震性は十分にクリアしていたが、念には念を……だったかは定かではない。
リフォームした本人に聞きたいが、誰がしたかはわからない。
ただ一つ言えるのは、隔離された場所に見える。
そんな場所に奈緒子が、いる。
隔離されて坂本と二人きりだった。
坂本が奈緒子の裂け目を魅(み)る。
見るのではなく、魅ていた。
密林が伸びて目指す場所に裂け目がある。いまは塞がれている。黒い一本の線があるだけだった。まさに秘境だった。
「奥さんの、裂け目、黒いよ。初心(ウブ)ではないんだな」
坂本が片手で胸を揉み捲りながら言った。その間も女が臭く鼻腔を突く。奈緒子は恐怖に震え、恥辱に耐えていた。涙はいまだに枯れず、ポロポロとこめかみを伝わり落ちた。
奈緒子の胸を揉む手が不意に外れた。坂本が軽く割れ目にキスをする。そして両手親指で裂け目を撫で始めた。
「奥さん、聞いていい?」
「……」
「黙秘かい? 仕方ないな、今日は許してあげる。でも帰るの遅くなるよ、場合によっては帰れない。家族が捜しに来て、この淫らな状態を見ら……おそらく……」
坂本が近くにあったビデオカメラで、割れ目のアップを撮影し停止させる。股から顔を上げ奈緒子の顔を確かめる。
奈緒子が目を開けると目線が合う。すると坂本がとっさに割れ目が映るビデオカメラを見せる。
「いやあー」
奈緒子が再び天を仰いだ。
坂本が部屋に持ってきたコイツは頑丈だ。
部屋は広く造られている。元々は屋内駐車場でクルマ数台停められる場所であったが、誰かがアレンジして管理人室を造った。駐車場入口は完全封鎖され、壁を付け足された。そしてコンクリートを剥がしオフィスビルのフロアーのように造り替え、そこに坂本はベッドやその他諸々を持ち込み住んでいた。
駐車場をなくしたのは利用者が少ないこと、耐震性向上のためでもあった。元々耐震性は十分にクリアしていたが、念には念を……だったかは定かではない。
リフォームした本人に聞きたいが、誰がしたかはわからない。
ただ一つ言えるのは、隔離された場所に見える。
そんな場所に奈緒子が、いる。
隔離されて坂本と二人きりだった。
坂本が奈緒子の裂け目を魅(み)る。
見るのではなく、魅ていた。
密林が伸びて目指す場所に裂け目がある。いまは塞がれている。黒い一本の線があるだけだった。まさに秘境だった。
「奥さんの、裂け目、黒いよ。初心(ウブ)ではないんだな」
坂本が片手で胸を揉み捲りながら言った。その間も女が臭く鼻腔を突く。奈緒子は恐怖に震え、恥辱に耐えていた。涙はいまだに枯れず、ポロポロとこめかみを伝わり落ちた。
奈緒子の胸を揉む手が不意に外れた。坂本が軽く割れ目にキスをする。そして両手親指で裂け目を撫で始めた。
「奥さん、聞いていい?」
「……」
「黙秘かい? 仕方ないな、今日は許してあげる。でも帰るの遅くなるよ、場合によっては帰れない。家族が捜しに来て、この淫らな状態を見ら……おそらく……」
坂本が近くにあったビデオカメラで、割れ目のアップを撮影し停止させる。股から顔を上げ奈緒子の顔を確かめる。
奈緒子が目を開けると目線が合う。すると坂本がとっさに割れ目が映るビデオカメラを見せる。
「いやあー」
奈緒子が再び天を仰いだ。