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地獄
第20章 母として妻として
奈緒子は熱いシャワーを全体に満遍なく浴びている。
湯気が立ち篭もり、湯の匂いがする。
熱い湯で午前から午後にかけて行われた淫らな行為を、浄化させるようにしっかり浴びる。
特に股は念入りだった。
裂け目と菊門にこれでもかと、熱い湯を浴びせた。二つの穴を開き湯を送り濯ぎも何回もした。
身体は清められていく。
しかし心はそうは行かない。
汚れたまま……。
「警察に行こうか?」
奈緒子がポツリ、口にする?
説明して理解を得てもらおう。
これが導き出した答えだった。
終わらせないと!
奈緒子が強く頷いた。
これではいけない! 自分に言い聞かせる……しかし目を瞑り首を振る。
顔にシャワーをかけると、「ちくしょう!」と小さく叫ぶ。これぐらいの抵抗しかできなかった。
時間を見、風呂場を出る。
奈緒子は服を着て、あのことを忘れ髪を乾かしていた。
「ただいま!」
夫の声がする。
いつも帰りは遅いが、この日もかなり遅かった。
「おかえりなさい」
奈緒子が笑顔で迎える。
夫は奈緒子より結構年上で、優しい雰囲気が溢れていた。
ネクタイを緩めながら顔を緩ませる。
「どうしたの?」
いつもと違う夫に、奈緒子がおかしな顔をする。
「来年の昇進の人選に俺が入った。部長になれるかも知れない!」
「えっ! マジ!」
奈緒子が小躍りして喜ぶ。
夫の昇進は自分の幸せでもある。
「日ごろの努力が報われたのかな」
「当然!」
奈緒子か小躍りして、抱きついた。
夫が優しい応える。
「これからは……いや、これからも家庭は大切にしないと。浮気なんかは御法度!」
「ちょっと!」
「しないよ! 誓う。例え強引に奪われても逃げる。まあこんなおっさん相手されないけどな」
夫がアハハと笑う。
冗談のつもりだった。
しかし、奈緒子は顔から血の気が引く。今日奪われ、逃げられなかった。そして見えない鎖に繋がれた。
「どうした? 奈緒子」
「……あっ、何でもないの。カレーで良かったかな? なんてね」
咄嗟に惚けた。
「カレーか久しぶりだ!」
夫が微笑む。
奈緒子は心で謝り、無理矢理微笑み返す。
その微笑みに夫は嬉しそうだった。
湯気が立ち篭もり、湯の匂いがする。
熱い湯で午前から午後にかけて行われた淫らな行為を、浄化させるようにしっかり浴びる。
特に股は念入りだった。
裂け目と菊門にこれでもかと、熱い湯を浴びせた。二つの穴を開き湯を送り濯ぎも何回もした。
身体は清められていく。
しかし心はそうは行かない。
汚れたまま……。
「警察に行こうか?」
奈緒子がポツリ、口にする?
説明して理解を得てもらおう。
これが導き出した答えだった。
終わらせないと!
奈緒子が強く頷いた。
これではいけない! 自分に言い聞かせる……しかし目を瞑り首を振る。
顔にシャワーをかけると、「ちくしょう!」と小さく叫ぶ。これぐらいの抵抗しかできなかった。
時間を見、風呂場を出る。
奈緒子は服を着て、あのことを忘れ髪を乾かしていた。
「ただいま!」
夫の声がする。
いつも帰りは遅いが、この日もかなり遅かった。
「おかえりなさい」
奈緒子が笑顔で迎える。
夫は奈緒子より結構年上で、優しい雰囲気が溢れていた。
ネクタイを緩めながら顔を緩ませる。
「どうしたの?」
いつもと違う夫に、奈緒子がおかしな顔をする。
「来年の昇進の人選に俺が入った。部長になれるかも知れない!」
「えっ! マジ!」
奈緒子が小躍りして喜ぶ。
夫の昇進は自分の幸せでもある。
「日ごろの努力が報われたのかな」
「当然!」
奈緒子か小躍りして、抱きついた。
夫が優しい応える。
「これからは……いや、これからも家庭は大切にしないと。浮気なんかは御法度!」
「ちょっと!」
「しないよ! 誓う。例え強引に奪われても逃げる。まあこんなおっさん相手されないけどな」
夫がアハハと笑う。
冗談のつもりだった。
しかし、奈緒子は顔から血の気が引く。今日奪われ、逃げられなかった。そして見えない鎖に繋がれた。
「どうした? 奈緒子」
「……あっ、何でもないの。カレーで良かったかな? なんてね」
咄嗟に惚けた。
「カレーか久しぶりだ!」
夫が微笑む。
奈緒子は心で謝り、無理矢理微笑み返す。
その微笑みに夫は嬉しそうだった。