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どこか壊れている
第1章 存在意義

小一時間程度話を聞いたあと、先に奥の施術室に男を通して着替えを促す。その部屋のドアの両面には大きな姿鏡が付いている。
そこに映る自分の姿をじっくり見て部屋に入るのがいつもの習慣であった。少しきつめの黒のニットに、黒のタイトミニスカート。
身長は170もあり、すらっと伸びた四肢。細いだけではなく、肌はきめ細かく弾力がある。肩幅は少し広めで、肩出しの黒いニットでは豊満な胸が強調されている。
30を前にして、間違いなく人生で女としての魅力が一番凝縮されている時期だろうと思った。
施術室は、東南アジアの雰囲気をモチーフにした10畳ほどの部屋である。
床には幾分高級な茶色のカーペットを敷き、真ん中にマッサージ用のベッド。ほのかに香る甘いアロマの香りとタイで買い付けた装飾具に部屋は彩られている。
この部屋に入るだけで、初めてのお客様は非日常に身を包まれる。
仰向けに横たわった男の内股、乳首の周りを今日は重点的にほぐしていく。男はうっとりした表情で、いつもと幾分違う質のマッサージに身を委ねている。
「私前から思っていたことがありまして。智さんのここ、きっと私が見てきた中で一番おっきいと思うの。」
そう言って赤ん坊の柔肌を撫でるように、手先を睾丸から逸物の先まで滑らせる。

