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官能書道/筆おろし
第2章 想浴
(なんて破廉恥なことをしてるんだ)

 頭の片隅で非難の声が聞こえたが、肉棒をしごくと生じる、魂が抜けるような快感の前では、あまりに無力だった。

 額からじっとりと汗が流れているのにも気づかす、澄夫は涼子の裸身を見つめたまま、ひたすら怒張をしごき続けた。
 眼には涙さえ浮かんでいた。

(涼子先生っ、涼子先生ええっ)

 心の中で、師の本名を呼ぶ。
 胸がときめいた。

 射精感が急速に迫る。

 声に出したつもりはなかった。
 身動きだって、ほんのわずかだった。
 この距離で、あらい鼻息が聞こえるはずもない。

 それなのに――

 夢みるような表情でシャワーを浴びていた涼子の表情が、ふと強張った。
 窓の外に視線をめぐらす。

 涼子と眼が合った。

 たちまち、美しい貌が凍りついた。
 あわてて胸を隠す。
 ピシャリと音を立てて、窓がしめられた。

 頭が真っ白になる。
 最悪の事態だった。

 澄夫はなすすべもなく、まだ硬いままのペニスを握りしめていた。


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