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第2章 真由を犯れ　～狙われる研修生～

　杏里は真由の抗議を全く無視して、更に話を続けた。
「とにかく、その人が言うには真由ちゃんが目の前で排便する所を見せればビデオは返してくれるって、断るならビデオはネットで全世界に販売するそうよ。」
「全世界に・・・販売・・・？」
　真由は目の前がくらくらとして携帯を握りしめたまま床にへたり込んだ。全世界にあのビデオの痴態を・・・。顔も性器も排便する所も・・・。全て公開されるような事になったら人生終わりである。
「ビデオを返して貰うのが良いか、裏で販売されるのが良いか。どっちが良いの？真由ちゃんの判断で今すぐ決めなさい。」
　杏里はきつい口調で真由に判断を迫った。生来、性格の優しい真由には杏里に抗うだけの根性も気概も既に無かった。脅迫により心を折られてしまっていたのである。
「見せます・・・見せますから・・・、ビデオを返して下さい・・。」
　真由は蚊の鳴くような声で言った。
「そう、見せてくれるのね。それが一番良いわね。私があなたの立場でもきっとそうするわ。」
　杏里が勝ち誇ったように話すのを真由は黙って聞いていた。それから杏里は明日学校が終わったら、真由が通う中学校近くの公園で待ち合わせる事、この事は誰にも言ってはいけない事を真由に言い含め電話を切り上げた。電話が切れると真由は小学校低学年の頃から使っている年季の入ったベッドに呆然と座り、壁に貼ってあるＨＫＤのポスターをぼんやりと見上げた。