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女鑑~おんなかがみ~
第4章 憧れ
「淑子、勝手に甘いことを言うのはやめてほしいものだ」
お父さまはまずお母さまに言った。
おじい様が亡くなられてから、お父さまのお母さまに対する態度がきつくなったことに、操子もなんとなく気づいている。
「家業の経営においては、縁組というのも重要な戦略だと、お前も知っているだろう」
お母さまは、驚いて黙った。
「孝秀、お前は最近、生意気になった。弁論などにうつつを抜かして、まさかアカに染まりかけているのではないだろうな。
お前も、この倉持木材を大きくしたいと思っているだろう。
商売を大きくするためには、力になってくれそうな人と縁戚関係を結んでおくことが大事だ。こちらでもいくつか考えているところだ。
自由恋愛などという、昨今の流行に乗って、どこの馬の骨ともわからんような女や怪しげな女と、面倒なことになるのは許さんぞ」
と言い放った。
そしてさらに付け加えて、「まあ、好きな女と付き合いたいのなら、堅気の娘には手を出してはいかんぞ。中学を出たら、遊郭で遊ぶ小遣いくらいなら出してやる。割り切ることが大事だよ」とまで言った。

お母さまは、
「そんな話、やめてください。ここには操子も」と慌ててお父さまの言葉を遮った。
そしてとりなすように
「孝秀さんもまだ中学生で、結婚なんて先の話ですから、旦那様もまた先にゆっくりと考えればよろしいわ。今はお勉強ね」とおっしゃった。

しかしお兄さまは毅然として、
「僕は、自分が愛する人を選びます。お父さまのように、お母さまという妻がいるのに遊郭などに行くのは裏切り行為ではありませんか。
遊郭などというものが蔓延っているほうがどうかしているのです。」
と言った。
これにはお母さまのほうが先に
「孝秀さん、お父さまもお仕事のお付き合いもおありなのだから、ときにはお遊びをなさることもあるでしょう。
あなたは極端に考えすぎるのですよ」
とお父さまを庇った。
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