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女鑑~おんなかがみ~
第6章 布団
ようやく笑い疲れた大旦那様は
「まあ、孝秀の奴が大阿呆なおかげで、ワシがこんな上玉の初物を頂けるのだから、結構結構。息子には感謝をしなければならんな。
今度あいつが帰省したときには、小遣いくらいは弾んでやることにするさ」
と言って、そこでようやく、スエの頬が涙に濡れていることに気づき、
「お前、泣いておるのか、そうか、可哀想に。
初物を破られるのはやはり怖いか。案ずるな、案ずるな。
女ならだれでも一度は通る道だ。痛いだろうが、しばらく辛抱すればよくなる。
よしよし、いい子だ」
と幼子をあやすような口調になった。

怖いのではない。ただ、あの孝秀さまのことを嘲笑われたのが口惜しいのだ。しかしそれを伝える術がなく、伝わりそうな相手ではないということにスエは絶望し、涙と声を堪えようと耐えた。
ざらざらとした太い指が再び身体の奥をかき回そうとしたが、そこはますます硬くなり、先ほどまではあったはずの潤いも失われていた。

「変だなあ、さっきは良くなりかけていたじゃないか。ずいぶんきつくなったか。
まあ、最初だから仕方がない」

頭の上でぶつぶつと独り言が聞こえ、両ひざがさらに大きく持ち上げられ、熱くて硬いものが押し当てられた。次の瞬間、スエは、全身が引き裂かれたと思った。
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