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Sugar Box
第5章 黄色い水仙を抱き締めて * 前 *
「はい。」
〝気にするな〟ってそんなのは、無理だ。そうしても彼を追ってしまう。
出掛けても大丈夫だと判っていてもまた事故に遭わないかを心配してしまう。
干渉を控えてから彼が帰られない日が増えた。どこでなにをしているのか・・・心配で眠れない。
「・・・あ、乃さん。いつの間に。」
部屋を出るとソファーで彼が眠っていた。
「お帰りなさい・・・(香水の匂い)。」
彼がどこに居るのかを理解した。
「・・・乃、さん。好きです。あなたが・・・好きです。キスしたら・・・目が覚めますか?」
スキンシップの多い彼が懐かしい。こんなにも触られるのが当たり前になってしまった。
ちゅ・・・・・・
それは、実に1ヶ月ぶりの触れ合いだった。
「っ!!?」
「乃さん・・・起きましたか。」
目の前で起き上がり口を押さえてこちらを見ている。