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Sugar Box
第6章 黄色い水仙を抱き締めて * 中 *
ご丁寧に鍵をかけられたバスルームのドアを叩く。
「俺を誘うだけ誘ってなんなんだっ!!」
シャワーの音が耳につく。
「〝さようなら〟・・・だと?放置かよっ!!」
ドンドンとドアを叩いて声を掛けても反応は、ない。仕方なく必ず通るリビングで待ち伏せるしかない。
そもそも俺とアイツは、こんなことをする関係だったのだろうか。記憶を無くした腹いせにからかわれたのか?それとも本当は、女の香水を纏って帰ってくる俺に嫉妬でもしていたのか?
完璧なまでにデリートされてるこの使えない頭では、いくら考えても仮説を立てても正解を導き出せないのだから意味をなさない。
「唇、柔らかかったな・・・・・・・・・ッ、じゃなくって!」
自分の思考回路が恐ろしい。
「しっかし・・・遅いな。」
そう思いながらウトウトしてしまった。