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Sugar Box
第6章 黄色い水仙を抱き締めて * 中 *
記憶を失う前の自分は、ずいぶんと人間関係が円滑に行えていたようだ。おかげで会社の人たちからは、手厚い支援を受けられてなに不自由のない社会生活が始まった。
困ったことと言えばあの日以来、定期的にアイツの夢を見ると言うことだ。これは、由々しき事態と言える。
売り言葉に買い言葉のような状況でシテしまったのになぜいつまでも頭から離れないのか。
「黒峰さん。みんなで飲んで行こうって話しになてるんです。どうですか?」
「あ、あぁ・・・いいですね。(飲むしかない。)」
考えがまとまらないときは、飲んで忘れたらいいのだ。月瀬の居場所も知らないし・・・〝さようなら〟って自分で出て行ったんだから。
事故=記憶喪失から3ヶ月が過ぎようとしていた。一向に記憶は、戻る気配がない。しかし生活は、送れている。
「うわぁ~課長、素敵なお店ですねぇ~」