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Sugar Box
第6章 黄色い水仙を抱き締めて * 中 *
「お客さま・・・おもしろい顔は、やめてください。」
耳打ちされてハッと我に返った。
「月瀬っ!お前っ・・・」
「お連れの方たちが呼んでますよ。それでは、ごゆっくり。」
ペコッと頭を下げてその場から居なくなってしまった。バーテンダーの格好が似合う。そして少し痩せたように思う。
「玲。」
「はい?」
「(ん゛?んん゛??おいおい。その距離は、なんなんだ?)」
酒や会話よりも月瀬が気になって仕方がなく目で追ってしまう。同僚のバーテンと距離が近い。
「今夜・・・空いてる?」
「(なんだと?〝空いてない〟って答えろ。)」
腰に腕を回して訊いている男にイライラしてしまう。
「もう、毎回いい加減にして下さい。僕は、あなたとは・・・ちょっと!」
「(こらこら、こらっ!店でナニをやってるんだ。ナニをっ)」