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Sugar Box
第7章 黄色い水仙を抱き締めて * 後 *
《 *
「乃。あなたもそろそろ結婚しないの?」
「はっ?急になんだよ。」
「お兄ちゃんもお姉ちゃんも結婚したけど遠くに居るし。その点アンタは、近くに居るから早くいい人を見付けて一緒になって欲しいのよ。」
帰省した食卓で母が急に妙なことを言い出した。
「好きな人とか居ないの?」
「居るよ。大事な奴が・・・・・・」
「もう、なら連れて来なさい。」
「今度、今度な・・・・・・」
「なんなの。勿体ぶって。」
全くもって食事の味を感じられない。
同姓のパートナーが居ると話せばどうなるのか・・・不安で堪らない。
ましてやパートナーは、極度のツンデレ。言葉の確認さえままならない。
「玲ちゃん。好き~」
「はいはい。」
「玲ちゃんは?」
「言わなくっても、判っているでしょ。」
いつもの言葉が返ってきた。