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Sugar Box
第7章 黄色い水仙を抱き締めて * 後 *
「なっ・・・どこ、行ったんだよ。」
部屋は、もぬけの殻だった。ベッドは、綺麗に整えられていた。
「・・・月瀬。」
行為が行われたとは、思えないほどに片付いている。
「アイツらの所か!」
思い当たる居場所は、ひとつだけ。すぐに飛び出した。
》 *
「帰って下さい。」
「月瀬、居るんだろう?」
「やめて下さい。大声を出さないでもらえますか、近所迷惑です。」
「黒峰。今は、逢わない方がいい。」
友人だと、名乗っていた2人の元を訪ねると門前払いを受けた。
「待てよ。俺は、ちゃんと月瀬と話しをしたくて来たんだ。逢うくらいいいだろう。」
「いいえ、逢わせません。」
「なんなんだよ、お前!」
思わず酷い言葉を口にしていた。
「氷、俺が話すから。」
「判りました。」
不満そうに部屋の奥へと下がって行く。