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Sugar Box
第7章 黄色い水仙を抱き締めて * 後 *
「とりあえず、入れ。」
ようやく玄関に通された。しかし部屋に上がることは、許されない。
「月瀬と“なにが”あった?」
「昨日、偶然・・・逢ったんだよ。」
昨日のことをかいつまんで話した。
「そうか・・・お前も辛いのは、判る。でも、月瀬のことも考えてやって欲しい。」
「どういう、ことだ?」
「月瀬には、家族がないから。お前の存在は、大きかったと思う。
たとて口に出さなくても。少し、距離を置くべきだ。」
「離れるにしても、このままでは無理だ。話しをさせて欲しい。」
自分勝手なのは、判っている。しかしどうするにしても話しをしたかった。
逃げるように離れても無意味だと思ったからだ。
「少し・・・待っていろ。」
熱意・・・が伝わったのか友人の男も部屋の奥に向かった。
「ダメだよ。」
「氷さんっ」