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Sugar Box
第7章 黄色い水仙を抱き締めて * 後 *
笑顔を返して玄関に向かう。
「黒峰さん。」
「月瀬・・・そのっ」
「外、出ましょうか。」
靴を履いて彼の横を通り過ぎる。
「あ、あぁ・・・」
彼を誘って部屋を出た。
お互いになにも言わずに公園のベンチに座った。
「月瀬・・・身体、大丈夫か?」
「は、い・・・」
優しい気遣いの言葉にホッとした。
「ちゃんと、話します。僕らのこと・・・」
「あぁ、頼む。」
「高校の時、逢いました。あなたに告白されて受け入れました。
付き合って、身体も繋がりました。たくさん言葉をくれるあなたと違って僕は、言葉をあげるのが苦手です。だから・・・ケンカになりました。
あなたに謝りたくてでも・・・あなたは、事故に遭って記憶を無くしてた。
知らない方がいいと思ってなにも言わないでいようと決めたのに恋しくて・・・あなたを誘惑して逃げました。