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Sugar Box
第7章 黄色い水仙を抱き締めて * 後 *
「っ・・・・・・!!?」
大きな腕に抱き締められる。
「なんで、泣いてるの?」
「っ、乃・・・さん?」
力強いけれど優しい腕。暖かな温もり・・・
「んー?」
「思い、出したんですか?」
「ん?なにを?」
「〝なにを〟って・・・僕のこ・・・・・・とっ!!?」
顔を上げるとジッと熱い瞳で見つめられていた。
「どうしたんだよ、これ!」
「えっ・・・」
口元を触られてハッとした。押さえ付けられた時の痕が残っているのだ。
「これ、は・・・」
「誰にやられた?つーか、今日何日?あんま覚えてないんだけど・・・」
「ぷっ・・・」
「おい、玲。なに笑ってんだよ。」
「ふふ・・・お帰りなさい乃さん。」
記憶喪失が長かった所為なのか今度は、記憶を失っていた時を完全に忘れてしまったようだ。