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Sugar Box
第7章 黄色い水仙を抱き締めて * 後 *
「しばらく家にお泊まりしなさい。」
本当に自分を可愛がってくれている。
「でも・・・」
彼を見ると話しの流れに混乱しているようだ。本当に記憶喪失だった頃の記憶がないのだと判る。
「散々、玲くんを傷付けておいて〝はいそうですか〟なんて俺は、出来ません。文句ありますか、沖兎さん。」
「いや・・・ねぇけど。月瀬は、どうなんだよ。」
「形は、どうであれ思い出してくれて・・・嬉しいです。」
心底本音だった。
「ほらな、氷。月瀬がこう言ってんだから、返してやんな。」
1番嬉しそうに笑いながらそう助け船を出してくれた。
「・・・玲くん、本当に許すの?」
「〝許す〟も〝許さない〟もないです。僕を思い出してくれたんです。それだけで・・・っ!!?」
答え終わる前に抱き締められた。
「玲くんっ、よかったね。」