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Sugar Box
第7章 黄色い水仙を抱き締めて * 後 *
━ 翌朝 ━
「ふふ、寝グセになってるし・・・」
彼の方が疲れていたみたいだ。急に記憶が戻ったのだから仕方ない。彼が眠ってから不安で眠れなかった。
目が覚めて“やっぱり忘れてました”なんて言われたら今度こそ立ち直れない。
「あぁ~いつの間にこんなに好きになってなんだろう。」
髪を撫でて見る。いつも貰いばかりで与えるのに慣れていない僕には、いい機会だったかも知れない。
「乃さん・・・好き。」
「っ!!?
(可愛すぎかっ!チクショウ!)」
「あれ、起きてます?」
眉と頬がピクピクしている。
「おはよ、玲ちゃん。」
照れてそう言われて感動した。名前を呼んでくれたからだ。
「っ、玲!?どうした??」
「おはようございます、乃さん・・・」
「どうした?」
頬を触られて自分が泣いていると気が付いた。