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Sugar Box
第9章  マジックナイト・クリスマス
  


 恋人の寝顔がキラキラしている。直視出来ないし又しても動悸が勝る。


「っ・・・(どうしよう。本当に・・・ッ)」


 スヤスヤと眠っている彼にムラッときたことがない、と言えば嘘になる。
 しかし・・・ここまで


「キス・・・・・・したいなぁ。」


 と、強烈に思ったこともない。よく見ればやっぱり整った綺麗な色素の薄い唇。
 スポーツをしている人特有のシャープなアゴのライン。眉は、濃いけれど整っていて凜々しく見える。


「起き、ないよね・・・」


 自分のナカの性欲と対峙したのは、もしかしたら〝初めて〟かも知れない。
 ゆっくりと顔を近付ける。自分の興奮の鼓動と鼻息で彼が目覚めてしまうのではないかと緊張と性欲がたった数センチ先の唇に向かうだけでせめぎ合う。


「・・・・・・ッ!!
(やっぱり、ムリッ!!)」


 あと少しで触れそうだったが恥ずかしくって出来なかった。


  
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