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Sugar Box
第11章 愛を知らないヒメ初め* 上 *
表情をコロコロと変える彼をまじまじと見つめながら考えを巡らせる。
「玲ちゃん、訊いてるの?」
「はい、訊いてます。色々すみません。」
「謝んなくっていいよ。玲ちゃんは、こう言うの苦手なんだね。」
「すみません。感情の機微に疎くて・・・それに黒峰さんが僕に向けてくれるような感情を知らないので。。。僕なんかは、黒峰さんに不向きです。」
本当に申し訳ないと思った。同じような感情で返してあげられないのだから。
「玲ちゃん・・・」
「すみません。僕、戻ります。」
「れ、玲ちゃん!!」
彼の真剣な感情に返せない。それなのに思わせぶりなことは、出来ない。距離をつめてもいけないのだと・・・それだけ理解出来た。
呼び止めを訊きながら割り振られた部屋に戻った。
》 *
「これは・・・・・・前途多難、ですね。」