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Sugar Box
第11章  愛を知らないヒメ初め* 上 *
  


「本当だな。月瀬もずいぶんと真面目な・・・」


 成り行きを見守っていた2人は、声を掛けられなかった。真剣に告白した方も痛々しいいし。告げられた方も感情が判らないと断らなければならない姿が痛々しい。


「これから、どうしましょうか。」


「見守る以外に、なにも出来ないな・・・。」


 2人は、そっとその場を去った。


 夏の合宿中彼と話しをすることはなかった。感情に疎い人間などに興味などなくなったのだろう。こうして距離は、縮まることもなく合宿は、終わった。


「玲くん。夏休み中にお茶に誘ってもいい?」


 別の人間とは、仲良くなった。黒峰さんの後輩とキャプテン。


「もちろんです。いつでも誘ってください。」


「じゃあね。」


「またな、月瀬。」


「はい、さようなら。」


 2人は、彼とのことを気にかけてくれているのだろう。


  
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