この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Sugar Box
第11章 愛を知らないヒメ初め* 上 *
》 》
人に期待などしても無意味だと知り、感情を捨てた。両親を亡くした瞬間に〝ヒト〟であることを望まれなくなった。
今は、ただ日々を凄くだけ。
「れい君。」
「こんばんは。」
もう通い慣れてしまった場所の入り口に男が立って手を振っている。近付いて頭を下げる。
「また逢えたね。れい君は、人気者だから予約がなかなか出来なくって寂しかったよ。」
スラリとした身綺麗な男は、にこにこと話しをする。
「珍しいね、制服かい?」
「部活が、あったので・・・」
「そっか。どれ・・・」
「あっ、汗臭いから・・・やめっ」
急に抱き締められ首筋の臭いを嗅がれる。
「う~ん、いつもよりれい君の体臭が濃いね。凄く興奮するよ。」
ニヤニヤと笑いながら感想を述べられて嫌だった。
「怒ったかな?」