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Sugar Box
第12章 愛を知らないヒメ初め* 中 *
「ちょっと、待って。」
「月瀬。」
「ふふ。お2人は、本当に〝いい人〟ですね。きっと凄く温かな家で育ったんですね。」
2人を見ていてとても和やかになる。
「玲くん・・・?」
「月瀬、やっぱりなにか困ってるんじゃ・・・」
「いいえ。心配をしてもらってありがとうございます。僕は、大丈夫ですから。」
2人に話しをするのは、やめにした。
「玲くん。事情があるのは、判ったから。」
「そうだ。判ったから、俺たちを邪険にするな。」
「はい。」
本当に優しい世界で生きてきたのだと理解した。
》 *
「玲、ちゃん・・・・・・」
「来ましたね、黒峰さん。」
「まぁ、座ったらいい黒。」
おずおずと声を掛けると案の定後輩と親友から冷たい視線が注がれた。本命の相手は、涼しい顔をしている。