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Sugar Box
第12章  愛を知らないヒメ初め* 中 *
  


「あ、うん・・・気を付けて。」


 にっこりと笑いかけられてしまえばイチコロだ。帰って行くのを見送るしかない。


「なぁ、なにがあったんだよ。」


「玲くんに訊いて下さい。」


「そうだな・・・当人に訊いた方がいい。」


「なんだよ、お前ら・・・」


 結局2人は、貝のように口を閉じてしまい玲の話しが訊けなくなってしまった。


 》 》


「れいー。スマホうるさいよ~」


「スミマセン。ちょっと、先輩に絡まれてて・・・」


「おやおや、穏やかでないね。」


「大丈夫ですよ。気を散らせてしまいましたね、電源落としておきます。」


「別にいいよ。」


「僕が気になるので。」


「そう?なら、そうして。」


「はい。」


 スマホの電源を落とし鞄の奥に押し込んだ。あの日から毎日のように電話やメッセージが来る。


  
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