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Sugar Box
第12章  愛を知らないヒメ初め* 中 *
  


 しかし出ていない。返事もしていない。
 〝また〟・・・なんて言ったが逢う気など毛頭ない。


「れーい。」


「いま、行きます。」


 返事をしてベッドに戻る。

 手垢だらけの自分など彼は、見たりしないだろう。本当のことなど知らなくていいのだ。
 それで、いいのだ。


「おいで。」


「・・・今夜も宜しくお願いします。」


「よしよし。れいは、可愛いね。」


 男に抱き付いてキスを受ける。それを拒むことなど・・・出来ない。出来ないのだ・・・・・・

 》 *

「ちょっと~やる気がないのなら出て行って下さい。」


 広い体育館でランニングやストレッチをしているのに身が入らない。連絡が付かないからだ。


「黒。しっかりしろ。」


「いや~俺ダメだわ。マジで。
(いつ逢えんだよ~玲~~)」


 〝また〟を期待して待っていた。


  
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