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Sugar Box
第12章 愛を知らないヒメ初め* 中 *
「だったら、帰れ。そんなに身が入ってないとケガの元だ。」
「そうですよ。」
「へいへい、大人しく帰りますよ~」
後輩と親友に半ば追い出されるような形で体育館を出た。
電話もメッセージも梨の礫〈ツブテ〉だ。学校まで逢いに行くにも理由がない。拒まれたら立ち直れない。
しかし玲の〝また〟を期待している自分がなんだか情けない。
「玲ちゃ~ん・・・」
帰り道をトボトボと歩く。素直に帰るのがなんだか嫌で寄り道をすることにした。
あのファミレス近くをうろついていたら都合よく逢えないだろうか・・・・・・と、思って来てしまった。
「あのぉ~1人ですか?お茶でも・・・」
「ああ、ごめんねぇ。待ち合わせなんだ~」
「そう、ですか。」
「ざんね~ん。」
「ねぇ~」
「(はは、こんな所見られたらマジで嫌われるな・・・)」