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Sugar Box
第12章 愛を知らないヒメ初め* 中 *
「えっ、黒峰さんっ!!」
腕を引かれ走り出した。掴まれた手首は、痛む。しかしグイグイと引っ張られて走って行く。
「来いっ。」
「黒峰さんっ、ちょっと待って!!」
彼に連れて来られた場所でさすがに力を込めて立ち止まった。
「なんだよ。」
「なに、考えてるんですか・・・」
「お前の、意思なんだろう?じゃあ、いいよな?」
「・・・・・・本気、ですか?」
目の前は、さっきまで客と居た場所だ。
「〝金〟を払えばいいんだろう。」
「黒峰さんっ!!」
彼は、どこかおかしい。
「来いよ。〝仕事〟、だぞ。」
「・・・・・・はい。」
もう拒む気力も失せた。このまま関係が壊れきってしまえばいいと思った。
彼の中の僕のイメージが壊れてしまえばいい。そうして捨ててくれればいい。
「金は、いいですよ。」