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Sugar Box
第12章 愛を知らないヒメ初め* 中 *
「なんだよ、沖兎。お前には、関係ないだろう。」
「女を取っ替え引っ替えだって言うじゃないか。」
「酷い言われようだな。女が勝手に寄ってきて、離れて行くんだよ。それが俺の所為なのかよ。」
「月瀬と、〝なにが〟あった?」
「なんもねーよ。だから、自由にしてるんだろ。」
女遊びは、半ば当て付けだ。玲に想いを告げても無駄だと判っても気持ちは、簡単に放れない。しかし〝なにか〟で誤魔化さないと苛立つし苦しい。
夏を過ぎてもう部活は、引退してしまったいま手っ取り早い憂さ晴らし・・・とは酷い言い方だが〝女遊び〟が簡単だっただけだ。
「いい加減にしないと、そのうち恨みを買うぞ。」
「そんな付き合い方してねーよ。」
「なら、いいけどな。」
親友の言うことも判っている。しかしこの晴れない気持ちをどうしたらいいのかが判らない。