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Sugar Box
第2章  チラリズム・シンドローム【前】
  


「久しぶりだね。元気だった?」


 物腰の柔らかな声音も好きだ。


「お久しぶりです。いま、元気になりました。」


「え~なにそれ。」


「氷さんに逢えたから。」


「はは。玲くんは、相変わらず可愛いなぁ。」


 そう言って笑う笑顔が綺麗だと思う。


「お腹、空いてる?」


「あんまり・・・」


「あれ。体調悪いの?」


「いいえ。学校のことで毎日気が重くって・・・」


 本当に苦手な行事に参加するだけでも憂鬱なのに〝女装して接客〟・・・気が重くて仕方ない。食欲など減退する一方だった。


「そっか。話し訊くよ。とりあえず注文しようか。」


「はい。」


 メニュー表を開くとなんだか先輩となら食べれそうな気がしてきた。


「玲くんは、パスタが好きだよね。オススメ、訊いてあげるね。」


「え、わざわざ・・・」


  
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