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第15章 　ムーン・トリック＊バニー編

　


「玲ちゃん？」


「･･････乃さん。」


　飛び起きると彼が傍に居た。


「どうかした？」


「まさか、ずっと居たんですか？」


「うん。」


「せっかくの休みなんですから、好きなことしたらいいのに。」


「いいんだよ。玲と一緒に居るのが楽しいんだから。」


「っ･･････
（ああ、本当にこの人は。）」


　自分のちっぽけな嫉妬など無意味だと思い知らされる。


「玲ちゃん、どうした？」


「いいえ。２人きりで過ごせて僕も楽しいです。」


「れ、玲ちゃん･･･どうした？？」


　珍しく素直に言った所為だろうか。彼が心底驚いている。


「あ、あの･･･玲ちゃん。」


「なんですか。」


「身体は･･････大丈夫ですか。」


　彼が丁寧語で伺うように訊いてくる。だいだい内容は、想像がつく。