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Sugar Box
第16章  今夜も黒バラを君に。 *前*
  


「もしかして、〝氷さん〟に頼まれました?」


「え・・・・・・ッ?」


「はああぁ~アルファのクセに番に頭が上がらないってどうなんだろう。こんなんで〝社長〟なんだもんなぁ~」


 社長の番の名前を出した瞬間に顔色を変えたので一発で判った。オメガなのによく出来る人だ。性格も好きだ。
 しかしビジネスまで牛耳られるアルファなんて情けない。


「あの、さ・・・・・・」


「どんな人ですか?性格に難ありだから、友だちの家政夫紹介場に依頼して来たんですか?」


「ち、違うって。実はな・・・・・・」


「沖兎さん。俺から、玲くんに説明します。」


「氷。」


「急な話しでごめんね。でも本当にイイ人だから。」


 現れたのは、社長の番で大手プロダクションの人事統括官である氷さんだ。


「でも、なんで僕なんですか?」


  
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