この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
Sugar Box
第16章 今夜も黒バラを君に。 *前*
男女だけでこと足りる性別を3つも増やすなんて・・・。
アルファは、最も優れた遺伝子。ベータは、非凡。オメガは、希少価値。そこに普通の男女が存在するなんてややこしくて生き難〈ニ〉くて仕方がない。
僕は、残念なことに〝オメガ性〟だ。発情がきたことはない。
その前から抑制剤を常用して首を無闇に晒さないよう他人と関わらないように気を付けて来た。だから家政夫の仕事を始めた。
それもセレブ専用の・・・。
どこかに〝運命の番〟が居るらしいけれどそんなモノに逢いたくなどない。倖せに暮らせるモノなどほんの一握りだ。
それを判っている。
このままベータのふりをして生きていきたい。〝運命〟など、知りたくもない。
《 《
「黒峰さ~ん、氷です。入りますね~」
車が着いたのは、高級タワーマンション前。たしかにセレブだ。