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Sugar Box
第16章  今夜も黒バラを君に。 *前*
  


「あぁ~また!今日は、新しい家政夫さん連れて来るから〝宅配頼まないで〟って言いましたよね~。訊いてるんですか、黒峰さん!!」


 氷さんは、広い玄関からすでにお小言を始めている。


「玲くん、入って。」


「お邪魔します。」


 靴を脱いで部屋に上がる。確かに宅配ピザのイイ匂いがする。


「だって、お腹・・・空いたし。」


「もうっ、なにを子どもみたいなことを言ってるんですか!!ほら、シャンとして!
 初顔合わせなのにだらしないといい印象を持ってもらえませんよ!」


「ふふ・・・」


 まるで親子のような会話に笑いが漏れてしまった。


「玲くん・・・・・・」


「ふふ、すみません。んん!初めまして、月瀬 玲と言います。今日からお世話させて頂きます。」


 笑ったことを謝って仕事モードで挨拶をした。目の前には、スウェット姿の男がソファーに寝転んでいた。


  
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