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Sugar Box
第16章  今夜も黒バラを君に。 *前*
  


「残念です。僕の心臓は、〝高鳴りません〟。」


「嘘、だ・・・・・・そんな、そんなハズ・・・・・・・・・ッ」


 握る手が冷えていく。


「黒峰さん・・・落ち着いて下さい。」


 氷さんが彼を座らせる。


「玲くん、悪いんだけど今日は・・・帰ってくれる?明日から頼むよ。」


「判りましたそれでは・・・今日は、おいとまします。黒峰さんまた、明日伺います。
 好きな食べ物とか、教えてくださいね。」


 あくまでも親切を装って部屋を出た。

 》 *

「黒峰さん、大丈夫ですか?」


「嘘だ。明志っ!!嘘だろう、さっきの話し?アイツは、〝オメガ〟だろうっ?」


 初めて出逢った胸が高鳴る程の存在。彼は、俺の〝運命の番〟だ。間違いなんかない。


「黒峰さん・・・俺も玲くんとは、付き合いが長いんですけどヒートしているのを見たことがありません。」


  
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