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Sugar Box
第16章  今夜も黒バラを君に。 *前*
  


「さて、なにから始めましょうか?」


「そうだな。腹が減った。」


「なにが好きですか?お好きな物を作りますよ?」


「得意なのか?」


「ええ。それに食事の支度が不慣れでは、家政夫など勤まりません。」


 心底馬鹿にしてやった。


「なら・・・俺は、なにが好きそうに見える?」


「推測して作れと言うことですか?」


「そうだ。出来るのか?」


「お任せを。」


 鞄からエプロンを出して広いキッチンに入った。さすがにセレブのキッチンだ広々快適。IHコンロに食器洗浄機まで・・・至れり尽くせりだ。


「やっぱりね・・・」


 食器棚や冷蔵庫それに薬味ケースを見て予想通りの中身で呆れた。やっぱりろくな物がなかったのだ。


「どうした?」


「いいえ。待っていて下さい。」


「ああ、楽しみにしてる。」


  
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